【コラム】世の中がofficial髭男dismしか聞かなくなったら

ゲームというものは人によって当たりハズレがありますよね。それはクジを引くような話ではなく「誰かにとってのハズレは、誰かにとっての当たり」ということ。月並みな言葉で言えば価値観は人それぞれということです。

意外なことにこの当たり前のことを忘れてしまっているゲーマーは少なくありません。「このゲームをやってないなんてゲーマーじゃない」「このゲームを知らないなんてゲーマーじゃない」という態度をとっている人を見ると私は「まだまだ視野が狭いなぁ」と思ってしまいます。

しかしそんな視野の狭いゲーマーも珍しいことでもないのです。SNSでゲーマーの方々に囲まれていると忘れがちですがゲームを”第一趣味”に生きている人はさほど多くありません。いや、意外なほどに少ない。

おっと危ない。視野の狭いゲーマーを批判したいわけではありません。そもそもそういった批判は意味がありません。最初は視野が狭くて当たり前、自分も通ってきた道です。

大半の人は”第一趣味”でなければとりあえず有名どころに手を出すのが当たり前ですよね。ゲームも膨大な数が溢れ、選ぶのに困る人もいる事でしょう。最近ダルビッシュがゲーミングPCを買ったそうですがどんなソフトを選ぶんだろう?

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ところで私はゲーム以外にも読書をします。読書は第一趣味じゃありません。村上龍のエッセイは読みますが、それ以外にこだわりの作家はいません。

そんな私がどのように本を選ぶかというと「多くの人が評価している作品ならたぶん面白いんだろう」と、芥川賞や直木賞を受賞もしくはノミネートされた作品ばかりです。

もうこの時点でにわかゲーマーをバカにできません。読書が第一趣味の人からしたら賞でしか本を選べない私は正真正銘の”にわか読書家”です。

音楽だって同じです。お風呂に入るときにとりあえずAmazon Musicでランキング上位の曲を流すとたいていofficial髭男dismの曲が流れてきます。おしゃれで都会的なメロディで私もファンになったし多くの人が惹きつけられるのも納得です。

読書にしろ音楽にしろ人気の作品から入っていくしかないんです。だって深く知らないんだもの。なんとなく味わってなんとなく良かった、そういうところから徐々にハマっていくものなんじゃないでしょうか。

ゲームから話が反れてしまいました。私はゲーマーです。大型タイトルから作家性のあるインディーズゲームも好きです。むしろインディーズゲームのほうが製作者の個性が深く刻まれていて好きです。例えば『Undertale』のような独特で、舞台の仕上がった作品はありませんよね。

しかし一方で世間を賑わすのはeスポーツ、FFやドラクエといった往年のタイトル、そしてスマホゲームです。それらのゲームに共通しているのは「クセがない」。千鳥のノブも押し黙るに違いありません。

最近注目のサブスクリプションサービスとしてGoogleが提供するStadiaが話題に挙がっていますよね。簡単に言えば、いわゆる据え置き機を必要とせず定額でゲームを楽しむサービスのことですが、当然こういったサービスで遊べるソフトはクセのないAAA級のタイトルが多く、少なくとも実績のないインディがあがってくることは無いでしょう。

クセがないほうが多くの人に受け入れやすいし、もちろんそれは製作者にとって望ましいことに違いありません。しかしどうでしょう?ゲームにしても読書にしても音楽にしても、やっぱり一部の人には理解できないようなこだわりのスパイスを味わいたいと私は思ってしまいます。

あえて音楽で言うのならofficial髭男dismはたしかにクセがなく良曲揃いです。でも世の中の人がみんなofficial髭男dismしか聞かなくなってしまったらそれはそれでおもしろくない、というか飽きてしまいます。岡崎体育や打首獄門同好会のようなバンドがいたほうが音楽は楽しい。

もちろん岡崎体育や打首獄門同好会といったバンドは私の好みです。他人には理解されないかもしれないけど好きなんですよね。「他人には理解されないかもしれないけど好き」っていうのが実は大事で、そこから「伝えたい」っていうパッションが湧いてくるんですよね。

勘違いしないでほしいのは決してofficial髭男dismを否定しているわけではありません。どれもいい曲だし「Stand by you」のキャッチーな響きが私は大好きです。

インディーズゲームを中心に扱うこのブログを見ているということは、自分の価値観を自覚し、与えられるだけでなく自らゲームを探しに行くことができる豊かな眼を持っているのだと思います。

大型タイトルだけで染まるゲーム界はたぶん飽きてしまいます。インディーズゲームのように過去の栄光が無くても独創性を武器にゲーマーを惹きつけて止まない作品が多くあるはず。他人には理解されないかもしれないけど、私はそういうゲームに興味を持てるからこそ、このブログを続けられるんだと思います。

muramasa

2,000円以下でも深い味わいのある作品を紹介しています!ブログ「ゲームはリビングで。」を見て新たな作品と出会えるように更新していきます!

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