【THE WAKE】愛し、かつ憎む父へ捧ぐ日記

価格:520円
言語:公式日本語対応
プラットフォーム:PC

ざっくばらんに説明すると・・・

  • 日記を解読する謎解きアドベンチャー
  • 祖父の死をきっかけに明かされる父とのぎこちない関係
  • 家族へ送る、しっとりとした物語

【どんなゲーム?】

主人公は何らかの事件に巻き込まれたのか、瀕死の状態で目を覚まします。しかし意識は朦朧としていて、そばにいる家族とコミュニケーションもとれない状態でした。そんなとき主人公が差し出したのが「日記帳」。

日記帳の冒頭には「祖父の葬儀の三日間を記す、ここには私という人間の本質が凝縮されている」と書いてあるものの「私の言葉はすべて嘘だ」という不可解な一節で締めくくって物語がスタートします。死を悟った主人公は、最期に家族へ本当の自分を理解してほしくて日記帳を差し出したのかもしれません。

「思い出を見せてあげれば意識が戻るかもしれない」という医師の勧めで、家族は日記帳を読み進めようとしますが、日記の重要なページが暗号化されていて読むことができません。ここからパズル要素の登場です。

ここで中途半端に説明するとかえって分かりにくくなってしまいそうなので割愛しようと思います、独自ルールのパズルなのでチュートリアルをしっかり読みましょう。あとは主人公という人間がどのようなものか想いを馳せるだけです。

【どんな人におすすめ?】

クリア時間は3時間でした。パズルのルールが独特なので、もしかしたら詰むかもしれませんが、逆にコツを掴めばそんなに難しくなかったです。とにかく人間らしさにあふれた内容なので人の話を聞くのが好きな人におすすめだと思います。パズルゲームというよりあくまでもアドベンチャーゲームです。

攻略方法はまとめたので詰まったら参考にしてみてください。正直、一度コツを掴んでしまえばパズルを解く快感はあまりなくなってしまうので、ストーリーをメインディッシュに味わうつもりでプレイしたほうが良いでしょう。

【The Wake】ストーリー解説&攻略

【ゲームを終えて、考えたこと】

私はこのゲームは作者であるSomi氏、というかひとりの人間の経験そのものだと思ってます。むしろそうであってほしい、そのほうがずっと味わいがある。ここから先はそういうことにして書いていきます。

Replica」「Legal Dungeon」に続く『罪悪3部作』と言われてはいますが、今作はそれらとは一線を画す極めて個人的なストーリーだと感じました。よもや他人からすれば些細な事と言われかねないかもしれません。

実際にプレイしないと伝わりにくいと思いますが、やきもきした感情がひたすら渦巻くストーリーやVHSで録画されたであろう家族の映像から感じたのは「おもしろいゲームを作ろう!」と意気込んで仕上がったものでは無く、ただ静かに家族に想いを寄せながら作られたのではないでしょうか。逆にすべてがフィクションだとしたらその演出にまんまとやられたということですけど。

物語を俯瞰して見ても、暗号化もない平文だとしたらホントにただの日記になってしまいますが、重要な部分のみを暗号化という演出で隠すことであとから読むことになります。つまり、物語の倒置法が出来上がっているのもポイント。

さて最後に、プロローグがかなり印象に残ったので書いていこうと思います。

ここでは「祖父の葬儀の三日間を記す。そこには私という人間の本質が凝縮されている。しかし、絶望した。この日記帳の不思議な機能のせいで私という人間が理解できずに終わった。」とあります。

これはつまり「私という人間を文字に起こしているうちに、それが本当に私自身なのか分からなくなった」ということではないでしょうか。

人は笑っているだけの人はいないし怒っているだけの人もいません。複雑な感情が入り混じっているのが人間であり、心は常に多面性を持っています。

それを文字に起こしてしまうとその文字(単語)が持つ意味に縛られてしまう。絞り出した言葉と自分の想いに齟齬(そご)が生まれ、違和感を覚える。その齟齬を”日記帳の不思議な機能”と位置付けたのでしょう。

自分を真に理解できている人間はいません。『ジョハリの窓』で言う「未知の窓」に気付いたとき誰もが戸惑うもの。だからこそ”私という人間が理解できず終わった”という絶望感に、深い人間性を感じずにはいられないわけです。

muramasa

2,000円以下でも深い味わいのある作品を紹介しています!ブログ「ゲームはリビングで。」を見て新たな作品と出会えるように更新していきます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

コメントする