【風ノ旅ビト】描いたのは言葉を越えた人類の歴史か

価格:1,580円(Epic Games Store)
言語:公式日本語対応
プラットフォーム:PC、PS4、PS3

ざっくばらんに説明すると・・・

  • 雄大な景色を駆け抜けるアドベンチャー
  • グラミー賞にノミネートされた壮大な音楽
  • 言葉を越え感覚に訴える人類のドキュメント

【どんなゲーム?】

風ノ旅ビト(英題:Journey)は崩壊した文明を思わせる広大な砂漠から始まるアドベンチャーゲームです。主人公は光り輝く山の頂を目指して過酷な試練を乗り越える旅に出ます。

個人的には10年近く前、PS3で一度プレイしていましたがその当時でさえ体験したことのない世界観と景色に圧倒されていたのを覚えています。今でもその衝撃を忘れられずPC版の登場とともにまた買ってしまいました。後悔は全くしていません。それだけ素晴らしい作品だとオススメしたいです。

設定こそ日本語で表示されますが、本編はテキストフリーで会話は一切ありません。操作も移動することと、様々なギミックを動かす”音”を発することだけのシンプルな操作性です。

運が良ければほかのプレイヤーと出会うことがあるので、”音”による原始的なコミュニケーションができます。プレイヤーの登場にサインはありません。いつの間にか一緒になっていて、いつの間にかはぐれてしまうでしょう。

その一期一会の儚さもこの作品ならではの特徴ですね。出会ったときには積極的にコミュニケーションを取ってみましょう。

【どんな人におすすめ?】

このゲームは映像美こそメインディッシュです。映像を見てピンときたならすぐ買いましょう。

バトルも無くごく簡単なパズル要素(というかギミックを起動させるだけ)なので達成感を味わいたい人には向きません。ある意味ドキュメンタリー的な作品だと思うので、作品の映像、音楽を存分に楽しめるように、気分が落ち着いたときにプレイするのが良いと思います。

ちなみにですが風ノ旅ビトは、のちに海を舞台にしたアドベンチャー「ABZU」を手掛けるクリエイターによる作品です。

【ゲームを終えて、考えたこと】

このゲームはテキストも会話も、ゲーム中のメニューさえもないですが、それでもストーリーを目に訴えかける映像美、画角のすばらしさがあります。一見すると雄大な景色を味わうウォーキングシミュレーションのようなアドベンチャーですが、そこにはしっかりとした人類のストーリーがあると感じました。

各エリアの最後にはチャプターの区切りとしてシンボルの前で座禅のように座り、瞑想するシーンがあります。すると真っ白な世界で目が覚め、そこには白い衣に身を包んだ大きな人がいます。

男性か女性かもわかりませんがとりあえず雰囲気から「聖母」と呼んでいますが、聖母が主人公に対してエキゾチックな壁画で描かれた未来を伝えてきます。これこそがストーリーとなるものでしょう。

以下にチャプターごとの壁画の様子をまとめてみます。テーマは推察です。

  1. 出会い 鳥や植物、人々が集まる。
  2. 共生 衣を通じて離れた人々が繋がり、一つの建物に明りが灯る。
  3. 発展 植物を覆いながら次々と建物が建つ。
  4. 衝突 人と人の繋がりがちぎれる。兵器が対峙している。
  5. 転機 英雄(主人公と同じ見た目)の誕生。調和を目指す?
  6. 試練 山のふもとで向かい風に耐える主人公が描かれる。

三々五々に点在していた個人が出会うと(原始的には外敵から身を守るため)グループを形成します。グループが形成されると秩序が求めれます。そして秩序があると破る者が現れ、意見の食い違いが浮き彫りになり衝突が始まります。衝突が始まるとグループが瓦解してしまいます。グループを離れる者もいれば崩壊を食い止めようとする者もいます。英雄と呼ばれるのは、得てして後者でしょう。

私はこの一連の流れから風ノ旅ビトが描くストーリーは人類の歴史そのものだと感じました。出会いから関係を深め、衝突し、試練を迎えるのはたった2人から起こりうるものです。風ノ旅ビトは言語圏を越え繰り返してきた歴史の描写に挑んだ作品だったのではないでしょうか。だからこそこの作品には言葉が必要なかったんだと思います。

私は初めてこの作品に触れたとき、今までゲームに抱いてきたイメージを覆えされた気分でした。戦ったりレベルを上げたり何かをシミュレートするだけがゲームだけじゃない、と。

言葉を越えて感覚に訴えるこの作品は、もしかしたら古代から刻まれてきた私たちの本能に呼びかけるものなのかもしれませんね。荘厳な景色だけでなくグラミー賞にノミネートされたほどの壮大な音楽、そして描写される人類の歴史がミックスした一つのドキュメンタリーだと思いました。

そういえば昔、TBSの番組で「神々の詩」という自然界をテーマにしたドキュメンタリーがありました。なんとなくそれに近いような気がします。

muramasa

2,000円以下でも深い味わいのある作品を紹介しています!ブログ「ゲームはリビングで。」を見て新たな作品と出会えるように更新していきます!

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