【ABZU】人と自然の共生のドキュメント

言語:steamは日本語非対応、その他CS機は公式日本語対応
  (ほぼテキストフリーなのでプレイには問題ありません)
プラットフォーム:PC、PS4、XBOX、Swich

ざっくばらんに説明すると・・・

  • 色彩豊かな海の命を眺めるアドベンチャー
  • 揺蕩(たゆた)う命の裏で渦巻く人と自然のドキュメント
  • スクショポイント満載

【どんなゲーム?】

このゲームは海を舞台にしたウォーキングシミュレーションのような作品です。ほとんど泳いでるのでスイミングシミュレーションといったところでしょうか。

この作品の大きな魅力は映像とストーリー。まずは映像ですが、ハイスペックなデバイスを余すことなく色彩豊かな映像美を味わえるに違いありません。海という舞台を演出に上手く活かしている点も魅力的です。

例えば、連なって大きく伸びる海草が劇場の緞帳(どんちょう)の役割を果たしていて、海草をかぎ分けると急に美しい景色が飛び込んでくることもあります。

ストーリーについては人それぞれ解釈すれば良いと思います。単純に映像だけでも楽しめますし。私の感じたストーリーについて後ほど書いてます。

また、Steam版は日本語に対応していませんがプレイには問題ありません。ゲーム中に登場するテキストは水生生物の名前が登場するだけでストーリーには影響しないので英語のままで大丈夫です。

【どんな人におすすめ?】

様々な命に囲まれて、海の中から水面に揺れる太陽を眺めることができる作品はおそらくABZUだけでしょう。本作はバトルやパズルもありません。いわゆるゲームとしての達成感はなく、むしろひとつのドキュメントのような作品なのでご注意を。

テキストフリーなのでストーリーの解釈も人それぞれです。ゲームを通して何を描いていたのか、そんな物語を思い浮かべるたりすると、より作品の奥行きが見えてくるかもしれません。考察するのが好きなゲーマーにおすすめの作品ですね。

【ゲームを終えて、考えたこと】

最初はひたすら自然の雄大な姿に圧倒されるばかりで、本作は映像美に力を入れた作品でストーリー性がないんじゃないかと思っていました。しかし目の前の映像だけでなく、ゲーム全体を俯瞰してみるとストーリーが垣間見えるような気がします。※ネタバレ注意!

本来の海の姿を取り戻す闘争のドキュメント

各チャプターの終わりには主人公の一部を神殿のような場所に分け与え、辺りの生態系を一気に蘇らせる演出があり、「再生」を強く印象付けているシーンがあります。

ホホジロザメの登場

チャプターを進めると主人公がカメラのような小さな機械を見つけます。この機会は海を進むうえで主人公をサポートしてくれます。

しかし突如、海の王であるホホジロサメに一噛みで破壊されてしまいます。たくさんの傷跡を体に刻んだホホジロザメは歴戦の雰囲気を漂わせ、王者の風格を示していました。

このホホジロザメはやがて主人公に敵対するのではないかと身構えるワンシーンだと感じました。

海に沈む人間の遺留物?

しばらく進めていくとおよそ自然の海には似つかわしくない三角錐の形をした「人工物」に出くわします。主人公よりも先にあのホホジロザメが人工物のコアに近づこうとしていて、私は最初ボスが力を得ようとしていたのだと思っていました。

しかし、ホホジロザメが人工物の罠によって死に瀕しているのを発見します。主人公がボスを助けると感謝するように周囲を泳ぎます。

ホホジロザメは決して力を得ようとしていたのではなく、海から人間の手を遠ざけるため、海を守るために自ら人工物と戦っていたのだとこのとき理解しました。

主人公自身が「人工物」だった

物語は二つの出来事によって大きな展開を迎えます。一つは主人公が人工物の中心部にたどり着いたとき主人公と全く同じ見た目をした設計図のようなものが見つかります。つまり主人公自身が人工物によって造られたモノでした。

主人公はもとより海を監視・管理するためのロボットだったのかもしれません。

ホホジロザメの死、主人公は地上へ

そしてもう一つの出来事は、ホホジロザメと主人公が再会し人工物の中枢へと進み破壊しようと試みます。しかしその衝撃によりホホジロザメはとうとう死を迎えてしまいました。

ここからの主人公は海を守るために、自然の一部として振る舞うのではなく、自然界に対して人間の立場から介入することを選びます。その比喩として、ここからは主人公は地上に上がって行動するようになります。

すべてを取り戻し、最後の闘争へ

様々な仕掛けをかいくぐり最後の神殿では主人公自らホホジロザメを蘇らせました。そして最後のエリアでは共に行動することができ、ホホジロザメに掴まると実績「Connection」が解除できます。

このときから自然と人間が共存の道を歩み始めました。

そして人工物すべてを苔が覆いつくし、生命あふれる海の姿を取り戻したシーンで物語が終わります。壮大な音楽とともに物語が終わり、一本の映画を見終えたような気分でした。

人間の遺留物が沈められ、そこに生きる命を取り戻す物語を描いた作品だと私は感じました。映像美と自然を舞台にした壮大な物語を味わえる非常に良い作品なので長く評価されてほしいものですね。

muramasa

2,000円以下でも深い味わいのある作品を紹介しています!ブログ「ゲームはリビングで。」を見て新たな作品と出会えるように更新していきます!

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