【私たちの記憶】迫害の歴史を駆け抜ける少年少女

英題:My Memory of Us
価格:1,890円
言語:公式日本語対応
プラットフォーム:PC

ざっくばらんに説明すると・・・

  • 侵略者によって混乱する街で少年少女の友情を描くパズルアドベンチャー
  • ポーランドで起きたユダヤ人迫害の歴史を描く
  • コンセプトに終わらずバリエーション豊かなパズル要素

【どんなゲーム?】

falloutのボブルヘッドみたいなコミカルなキャラクター、そして赤色が強調されるモノクロなビジュアル、いかにもインディーズゲームらしい風体で吸い込まれるように買ってしまいました。

このゲームは「ポーランドを舞台に、かつてナチス支配下で迫害を受けたユダヤ人」を描いていて、実在した人物をモデルにしたキャラクターが何人も登場します。

ゲームは全年齢向けにカジュアルに表現しつつも史実に基づいた迫害、強制連行をわりとそのまま描いてました。ゲットーなんかもこの時代に登場した収容所ですね。ゲームの中では赤いペンキで塗られてしまっただけで迫害の対象にされてしまいます。

すさまじい惨劇を死や暴力表現をすることなくカジュアルに描きつつも、タブーに切り込んだ作品でもあり、そしてやはり忘れてはいけない物語がそこにはあるに違いありません。

ゲーム面については、少年少女が互いに協力し合って祖国を支配するロボット王国から脱出することが目的のパズルアドベンチャーです。シングルプレイの作品なので少年と少女の操作を切り替えながら進めていきます。

それぞれ特徴があって、例えば少女は素早く走ることができて、一方少年は見つからずに動くのが得意です。二人の特徴を活かしながら見つからないように敵兵士の視線をかいくぐっていきましょう。

【どんな人におすすめ?】

エンディングまでは4時間ほどでした。休日にやれば一日で終えるボリューム感が非常に良いですね。パズルも程よい難易度なので作業ゲー感もなく適度に頭をひねりながらゲームを進めることができます。

それにパズルはバリエーションに富んでいてオーソドックスなパスワード解除からアクション要素を伴ったパズルまでフードコートのように様々な味が楽しめます。さらにはレースやシューティングのおまけ付き。

重苦しそうなテーマの印象が先行してしまいそうではありますが、ゲームとしてしっかりとパズルアドベンチャーしていることはお伝えしておきたいですね。

そして各エリアにはおまけ要素の「思い出」が散りばめられています。あまり難解な場所にはないのでなるべく集めていってほしいですね。「思い出」には作者の思いが詰まっています。

【ゲームを終えて、考えたこと】

すでに触れたとおり、このゲームは前情報なしでも昔のナチス支配下時代の惨劇を描いたものだということが分かるストーリーに仕立てられています。

本筋は少年少女が住む国を「ロボット王国」が支配するファンタジーな物語ですが、その国王は歴史上のある人物をモデルにしています。「思い出」を読むと作者もあまり隠すつもりもないみたいですけど。

繰り返すべきでない過ちや悲劇、届くことのなかった苦しみや怒りは、得てして目を背けたくなるような事ばかりです。それをかみ砕いて届けられるのはゲームならではなのかもしれません。【9.03M】では東日本大震災を題材に作製されました。

また、史実に対する表現の重ね方も興味深くて2つポイントを紹介したいです。

まずは「ロボット王国」。冷酷非情なナチス軍を感情のないロボットとして登場させている点ですね。非常に分かりやすいです。一方、序盤で登場する人間の兵士はポーランド兵です。

そしてもう一つは、モノクロなビジュアルに映える赤色。物語上では赤色に塗られただけで民衆は差別を受け迫害、やがて強制連行されてしまいます。言うまでもなくユダヤ人を比喩したもので、おそらく現在のポーランド国旗に基づいているのでは、というのが私の考えです。

「「赤い民衆は良くない。」もう大声で言ってもよかった。その概念はいったいどこから来たのか」。このゲームで最も印象に残ったセリフです。私たちは過去から学び未来に目を向けなければいけません。そう思えたことがこのゲームに触れて得ることができた最高の喜びかもしれません。

muramasa

2,000円以下でも深い味わいのある作品を紹介しています!ブログ「ゲームはリビングで。」を見て新たな作品と出会えるように更新していきます!

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